FRESH THINGS

新たに始まったスポーツカジュアルウェアの新レーベル、フレッシュサービススポーツ。

4年に一度の祭典に目下熱狂中の南が、そのお披露目までの経緯を語る。  

 

“今は朝4時の試合をどうやって観るかしか考えてないです”

 ー今回の南さんの「フレッシュなこと」は”スポーツ”ということでいいですか?

 スポーツっていうか、サッカーだね。ワールドカップもあるしそれがフレッシュかなって。

 ー新しく始まったフレッシュサービススポーツのことも伺いたいんですが…。

 はい。でも、ちゃんとサッカーが好きなんだっていうところを伝えたくて。

 ー南さんに近しい方は、南さんのサッカー好きはご存知の方も多いですけどね。もちろん社内の方も。

 それがなぜかって言うと、 サッカーの試合があると僕が打ち合わせを飛ばしちゃうからなんだけど。社内の共有スケジュールにもサッカーの予定だけは自分で入れるようにしてます。テレビ放送を自分で調べて、「何!? この試合アツい!」みたいな。ワールドカップの期間中は僕、ほとんど仕事しないと思います。

 ー隣にいる社内の皆さんの顔色があんまり良くないですね。

 それでも僕自身は今は朝4時の試合をどうやって観るかしか考えてないです。そのまま起きてるのか、一度寝て起きるのか。でも4時に起きるとしたら何時に寝ればいいんだ…とか。22時の試合もあるのに、みたいな。

 ー南さんのサッカー熱はだいぶ伝わってきていますが、 フレッシュサービスのファンでも、南さんのアクティブな一面は意外に思う人もいるでしょうね。

 とは言っても僕自身がサッカーをやるわけじゃないからね。小学校くらいの時は遊びでやってたけど。でも、ワールドカップのアメリカ大会で完全にハマりました。僕の親父に「お前、本物サッカー見たことある?」って見せられて。決勝でロベルト・バッジオが PK を外した、あの試合ですよ。それがスゴすぎて衝撃的だったんだよね。 

ー’94年が南さんのサッカー観のターニングポイントだったわけですね。

 そうだね。(アリゴ・)サッキが監督をやるまでってゾーンの概念とかが無かったじゃない? ボールが来たらそこに群がる、みたいに戦術的なことより個人の能力が重視されてたと思うの。その時はその時で面白かったんだと思うんだけど、僕はその時代はあんまり知らなくて、世の中的に変わっていった時代のサッカーが好きで。

 ー近代サッカーの興りみたいなタイミングですね。

 そうそう。Jリーグもちょうど始まったくらいだったと思うんだけど、そういう経緯だったから僕は海外サッカーばっかり観てて。それこそロベルト・バッジオとか、ファンタジスタな感じの人たちが好きでした。ロナウジーニョが出てきた時なんかは「すごいなこの人!」って。それで、好きだと色々調べ始めるタイプなんで戦術のこととかを掘り下げて行ったら「なるほどな」って。個であり、全であるみたいなところあるじゃん。

 ーだんだんウィニングイレブンをやってるような気分になってきました。

 会社とかでも俺だけサッカーに例えるから、わからない人は「南、何言ってんだろう…」って思ってると思います。「お前はもうちょっとディフェンシブなんだよ!」とか言って。

 ー「くさびのパス入れろ」とかですか?

 そうそう。「お前はサイドバックだろ! 攻めたら守る。どっちもできなきゃダメなんだよ!」とか。でも僕が観始めたアメリカワールドカップ以降、サッカーって本当にすごい勢いで進化してるし、選手一人一人に求められることもものすごく増えてるじゃない? 攻撃も出来なきゃダメでディフェンスも出来なきゃダメで、中も外もっていう風に。これが今の世の中と一緒なのかなって。 

“「俯瞰で見る」っていうことですね”

 

ー社会の縮図だと?(笑)

うん。プロでも一芸だけで生き残れる人はなかなかいないんだなって、すごい感じて。いろんな部分を、サッカーを通して学んでますよ、ワタクシは。ルールはあるけど、とどのつまり自由じゃん。1度試合に出ちゃえば。監督がいるって言っても中でプレイしてるやつがどうするかっていう話だと思うから。広い空間の中でのその自由さが面白いんだよね。たまに「サッカー観てると寝ちゃう」とかっていう人がいるけど、僕はオフザボールの動きが気になっちゃってしょうがない(笑)。 カゼミーロとか「何人いんの…?」と思う時があるし。

ー…思った以上にガチのファンですね。

自分がプレイヤーじゃないから技術的なことはわからないけどね。でも、サッキさんの言葉で素晴らしいものがあって、「騎手になるにはまず馬である必要はない」と。

ー名言ですね。

結局今僕がやってるのもコーヒー屋さんの仕事をしたり、美容室の内装をやったこともあったりで、どれも他業種じゃない? だけど本質的には一緒だと思うし、業界の人が中に入りすぎちゃって見えないことが、外側から見てるからわかるっていうこともあると思う。「俯瞰で見る」っていうことですね。一流の選手はその空間把握能力がハンパじゃないってことですよね。昔シャビが現役時代、テレビで脳波を測って科学的に分析されたこととかもあるらしくて。

ー壮大になってきましたね。すみません、このままだとサッカーの話だけで完結しそうなので、フレッシュサービススポーツについてもそろそろ聞かせてください。

そんな感じで、俺がサッカーが好きだっていうのスタイリストのMASAHが知ってて 「サッカーショップのKAMOさんと伊勢丹でイベントをやるっていう話になってるんだけど、南くんサッカー好きだよね? 何かできないかな?」って声をかけてくれて。僕も、「サッカーだったら受けます」って。

 

 

VIBTEX™ CREW NECK SWEAT   ¥15,400 (tax in)

VIBTEX™ SWEAT HOODIE   ¥17,600 (tax in)

ーそれで完全な別ラインを立ち上げたと?

やるなら中途半端なことはやりたくないし、適当なものはつくれないから、フレッシュサービスのスポーツラインをつくろうと。それでこれは自分が息子のサッカーの応援に行ってる時とかにも感じてはいたことだけど、バリバリのサッカーウェアをつくっても意味ないよな、と思って。サッカーも出来るけど、その後にそのまま街に出掛けられるぐらいの服って無いなと思って、機能的だけど普段着としても着られるものをつくろうっていうコンセプトを一貫して持たせてます。 

ーじゃあただのスポーツテイストじゃなく、テッキーな部分も備わってるんですね。

うん。基本的には機能が大事だと思ってるから。汗をかいてもすぐ乾くとか、汚れが落ちやすいとか。そういった部分を街着に取り入れていくっていうのはこれからのスポーツウェアのあり方として、ひとつ可能性があるのかなって。はじまりはサッカーだけど、サッカー専用につくってるつもりもなくて、世の中全般で求められる機能性を意識してます。つくってて面白かったし、勉強になることがいっぱいありました。 

 

 

FABRIC BY SOLOTEX BENCH COAT   ¥41,800 (tax in)

 

ーモダンなベンチコートとかって、地味に新鮮ですよね。 

ベンチコートってイマイチだなってずっと思ってたの。なんかペラペラでダサいなぁって。それをもうちょっと格好良くして、街で着られるようにしてみようかなと思ったんです。Tシャツなんかもドライジャージーっていう機能素材を使いつつ、天然素材のような見え方にしていたり。だけど透けなくて、UVカットもしてくれる。 

“スポーツウェアの機能をどうタウンユースに落とし込むか”

  

 

STORMFLEECE™ UTILITY EASY PANTS   ¥19,800 (tax in)

 

ーあくまで実際スポーツができるスペックにはなってるんですね。 

そうだね。パンツとかも裾が絞れてジャマにならないようにしていたり、ストームフリースっていう生地を使っているから風が入ってこないとか。動きやすいし、観戦するにも着やすくていいんじゃないかと。それでそのままお茶に行ってもいいよねっていう考え方。スウェットにヴィブテックスを使ってるのは洗濯しても臭いが出にくいようにしようとか、コロナ禍だから抗菌作用を持たせようっていう意図で。あとはボールが入るバッグと、ボール自体もつくりました。

 

UTILITY DAY PACK w/BALL COVER   ¥15,400 (tax in)

 

ー個人的に一番思い入れが強いアイテムはどれですか?

ボールですね。

 

SOCCER BALL #4  ¥11,000 (tax in)

 

ーでしょうね(笑)。

本当は5号球でやろうかと思ったんだけど、今回は4号球。フットサルとかにもいいなと。あとは元々やってるパックのソックスには、イエローカードとレッドカードの色を落とし込んで。ブラックは審判のイメージ。あとはタンブラーとかキーホルダーとかのグッズもつくっていて、それはKAMOさん限定で販売してます。

 

3-Pack Socks ¥4,400 (tax in)

 

ー充実したラインナップですね。今後はサッカー以外もフィーチャーしていくんですか? 

はい。次はゴルフです。だけど、ベースにあるのは機能的だったりカジュアルだったりっていう部分で、常に何かの競技と結びつけていこうとは思っていなくて。どちらかと言うとスポーツウェアの持ってる機能をどうやってタウンユースに落とし込むかが肝心で、競技用のスポーツメーカーになりたいワケではまったくないです。フレッシュサービス自体も、男の服は道具みたいだ、っていうところから始まってるので。 

ー初回はサッカー愛が先行して、それを日常着に落とし込まれた感じなんですね。

長年サッカーを観てても、格好いいユニフォームってあんまり無いなといつも思っていて。色んな細かいレギュレーションはあるのかもしれないけど。 そういうところにも一石を投じたいなと思ってます。

ーそれが目下の関心事項なんですね。

まぁ、今はワールドカップのことしか考えてないですけどね。ドイツ戦の入り方が重要だなと。

ー…ありがとうございました。

 

 

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